お笑い 永源寺町におけるヒトの成長

 永源寺町におけるヒトの成長過程

 うちには3人のガキがいます。
 ヒトの未成熟なオスです。

 この動物達を例にとって永源寺町におけるヒトの成長過程を考察してみま しょう。

 ヒトの子どもの生態はニホンザルのそれとまったく同じです。
 群れの子ども達のあいだでの遊びを通して成長してゆきます。
 7才ぐらいまでは食べ物の奪い合いやマウンティングをくりかえして肉体的な面での序列づけにはげみます。

 このままでは世の中で使い物にならないので、まずは放牧場(保育園)に囲い込ん
 だのち、調教所(幼稚園、小学校)につれていって調教します。放牧場は町内2ケ所
 、もみじ保育園、かえで保育園という名です。調教所は4つです。
 永源寺町のヒトの個体数は成熟したものを含めても6700です。
 
 
 レン12才♂リツ9才♂ガク6才♂の行っている調教所の名前は山上小学校。
 年令に応じたグループ分けがなされており、学年と呼ばれていますが、
全学年で180のヒトの子どもの調教をしています。
これが町内4つの調教所の内ではいちばん大きいものです。
        
 調教所でどんな風に調教するかというと「読み・書き・パソコン」を教えます。
 ”生きる力をひきだす”という言い方もできるのですが、要は使いモンになるよう
にするのが基本。

 付随して音楽や美術、体育という名の調教で、各個体別の能力を使い物にするため
の基礎訓練とふるい分けも行われています。

トビバコ

 調教の経過は記録され査定されます。近年はその査定の方法が問題になったり、ま
やかしの目くらましをして査定していないように見せかける、より高度な査定方法が
とられています。

 公立の調教所の他に補助的な調教を請け負うカワイとかクモンとかいうフランチャ
イズもすでに町内に存在するようです。

 6年間の調教を受けると青野中学校という名の上級の調教所へ入れます。
 中学校では「群れの秩序を乱さない」という調教本来の目的をあからさまにするた
めに統一された規格自転車での通学や、制服、校則などでしめあげてゆきます。

 近年まで青野中ではオスの頭髪をカリあげて成熟しつつあるオスとメスの興味がそ
っちの方にゆかないようにする処置がとられていましたが、世間の風むきからそれは
もうとりやめましたので、青野中レベル(12才から15才)のヒトのオスとメスは
成熟しかかっていますから、テレビ等の影響をうけて異性の関心をひきつけるための
ディスプレイ行動にはしりがちです。

はーい

 近年日本国内ではオスとメスの生態のバランスがくずれて、オスは交尾させてくれ
るメスを見つけるのが大変です。私の友人にもメスを見つけられなくて困ってるオス
がいます。

 中学レベルにおけるヒトのディスプレイ行動は、早くから各種のディスプレイ行為
に習熟してヒトの個体数を減らさない、という観点からは良い行動といえなくもない
のですが、世の中で使いモンになるようにする、という調教の効率をいちじるしく低
下させます。 

 痛しかゆしです。
   
 中学校では「読み・書き・パソコン」だけでなく、もっと高度に役に立つようむず
かしい調教メニューを消化させて、ひっかかる者をピックアップして、使いモンにな
る個体をおだてて木にのぼらせます。
 あくまで個体の自由意志で行動しているように見せかけておいてですが。

 ですから通常のヒトの生活には不要な調教メニューもまじっています。
 因数分解や連立二次方程式などです。
 これらをやすやすとこなせるヒトの個体は本来まれなのですが、一律に調教される
ため、ふるい落とされる個体のほうはたまったもんではありません。
 それでもなんとか、なだめたりおどしたりスカしたりして調教を続けてゆきます。
 
 さらに高等学校という上級の調教を3年受けた後、査定の競争をして大学という名
のレジャーランドに行ったりもしますが、いろいろ大変なようですヒトの成長過程は 。

 いずれせよ、レン、リツ、ガクの調教がうまくゆくことを願ってやみません。
 根性焼きをするやんきーになったり、他所さまの♀(娘さん)にメイワクをかける
オスにならないことを祈るのみです。
 ひととおりの調教をはるか昔に了えた、父親たる僕から、彼らに贈ることば。

 ヤーイヤーイもう学校いかんでいいんやぞー。大人やもんねーだ!


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